2011年8月24日水曜日

SketchUp & Skitchで簡単イラスト


時短お絵かきのススメ
皆さん、お絵かきしてますか?私は仕事柄、なにかの仕組みを説明することが多くて、打ち合わせの時などによくぽんち画(絵、イラスト)を描きます。「百聞は一見にしかず」で、絵を描くといろんな説明が簡単になりますよね。
ただ、絵心のない私にはキレイなイラストは描けません。打ち合わせ中の走り書きなら下手な絵でも、意味さえ伝われば良いので問題ありません。でもその説明図を不特定多数の人に見せなくてはならない場合、あまり下手なイラストでは気が引けます。だからそういう場合には、コンピュータの力を借りて、上手でなくても「きちんとした」判りやすい絵を造るようにしています。今回はその手法をご紹介します。
といってもIllustratorを使って…なんていう話じゃありません。そういう高度なテクニックの話でなく、ここで紹介しようとしてるのは、私同様に絵心がないのにイラストを描かなくちゃならない、という素人が「ちゃちゃっと簡単な図を描く」ための裏技のようなものです。あくまで初心者向けで、ドロー系ソフトの達人にとっては無用の話題ですので、ベテランの皆様はスルーしてください。
Google SketchUp と Skitch の組み合わせ
こういうお絵かきに、私はGoogle SketchUpとSkitchというソフトをよく使います。このSketchUpはPCにもMacにも対応してますし、SkitchはMac用ですがPCにも同種のソフトは多いですね。使いやすく、しかも無料!なのでお勧めです。ダウンロードリンクはこちら。


SketchUpは高機能なので、本格的に使うには少しトレーニングが必要ですが、私の場合は「とても単純な3D図形」(SketchUpはこういう作業ならとても簡単!)を描いて、それを2Dの.pngファイルに書き出してイラストとして使うだけですから、特に「テクニックをマスターする」ようなお勉強はせずに使えています。使い方の解説はこちら
SkitchはPCの画面キャプチャー、写真の上へのイラスト・文字などの書き込みをするためのソフトで、ごく簡単な線や図形をベクターグラフィックで描くことができます。このソフトは予備知識無しでも直感的に使えるくらい操作が簡単です。使い方の解説(ムービー)はこちら。


さて、タイトルの中に「時短」と書きましたが、これが今回一番お話ししたいポイントなのです。時は金なり。私のように絵心のない人にとっては、きちんとした絵を描くのはとても時間を食う作業です。ちょっとした説明図を書くのに長い時間を掛けるのは非効率です。気軽に簡単イラストを活用するには、「時短のための合わせ技」が必要になります。
つい先日、このブログの記事「続々・ケーブルが乱巻きにならないウインチ」のために簡単なイラストを描いたので、それを例に私的「時短のための合わせ技」を紹介しようと思います。
時短イラストを描くための手順
①何を説明するイラストか?を再確認する。
これは文字で書き出しておけばOK。書き出してみると「これとこれはひとつのイラストでいいか」など、時短に役立つ計画が立てられます。
②イラストのサイズと縦横比はどの程度にするか?中の各要素は、どういう配置(構図)で、どの程度の見栄えが必要かを考える。(ラフ・プラン)
サイズと縦横比を考えずに描き始めると、どんなにうまく描けても、後で文書の中にレイアウトする時に困ることになります。
見栄えは人によって要求レベルが違うと思うが、コンピュータで描くイラストは「きちんとした線」なので、精細なイラストでなくとも、割合ちゃんとしたものに見える。→まあ私は手を抜きすぎかも知れないけど。
イラストA
③2D的表現が良いのか、3D的表現が良いのかを考える。
3Dは見栄えがするが、3D的表現をする必然性がないのなら、2Dで済ませれば確実に時短になる。イラストAは平面的表現でも説明になるので迷わず2Dとして時短。逆にイラストBでは、ドラムとケーブルの3次元的な向きの関係を説明するために、3D風な表現のイラストが必要でした。
これは見栄えの上でも必要と思ったのだけれど、それ以前の問題としてSkitchは図形の回転ができないため、同じドラムを「傾けたカタチ」では描けないという事情もありました。
④3Dを使う場合でも、全ての要素を3Dで描く必要があるのか?を考えてみる。
3Dは見栄えがいいので、描き始めると複雑な形状も3Dで、と思ってしまうけれど、それは非常に時間を食うので割り切りが必要。
イラストB
実は人間はイラスト内に3Dオブジェクトがあると、そのオブジェクト以外の要素を見ても「同じ3次元空間にある」と認識する傾向にある。実際このイラストでは「ドラム」は3Dだが、「ケーブル」は2Dで描いている。(ま、ズルしてるわけです)だから、必ずしもイラストの全要素を3Dで描かなくてもOKなのです。3Dで描く要素が減れば随分と時短になるのです。なお、もっと3D的に見せたいなら、イラストの背景にオブジェクトとパースを合わせたXYZの3軸を描いておくのも手です。これもまた、人間の脳により3Dを感じさせる効果があります。

イラスト C
⑤3D要素をSketchUpで描き、.png形式で保存。pngは描画がクリアに見えるのでWEBなどに使いやすいです。SketchUpで作成するオブジェクトには、より見栄えを重視するなら着色(テクスチャを貼る)したり、ライティングして影を与えたりできますが、後から2Dで描き足すことを考えると、あまり手の込んだものにすると違和感が出るのでご注意を。
⑥png画像をSkitchで開き、2D要素を描き足す。イラストBでは3Dで描くとものすごく時間の掛かる「ケーブル」部分を、Skitchを使って2Dで描くという割り切りが、随分時短に貢献しました。
文字や引き出し線などもここで書き込む。Skitchのお絵かき機能は非常に限定的で本格ドローソフトの足元にも及ばないのだが、それでも描画データは全てベクターなので、全ての描いた線は後からいつでも選択・編集(移動も消去も)できます。なお読み込んだ画像と作業中の描画はSkitch内部では別のレイヤーとして扱われているので、描いた線を消しても元画像に影響はありません。
無制限にundoとredoができるのも有り難い。Skitchで一番便利だと思うのはベクター描画なのに消しゴムツールで線を消したり、図形を分割できること。これであと図形の「回転」ができたらいいのですが、残念ながらその機能はまだありません。それもあってイラストCのように、同じオブジェクト(ドラム)を傾けた図を造るのはSketchUpで作業しているわけです。
⑦Skitchのデータを無償のクラウドサービス(Skitchに付属)に保存した後、データを.png形式でデスクトップに保存する。元データをクラウドに保存するのは、「後の使い回しに役立つかも知れないが自分のHDに整理保存するほどではない」データとしての扱いだから。また同じ名前のファイルでデスクトップが散らかるのを避けるためです。こうしておけばSkitchを終了した後で「ありゃ、これ修正しなきゃ」と思ったときには、クラウドからデータを読み込めます。当然な話ですが、pngで保存した方のデータでは「書き足し」は出来ますが、元の描画は修正できません。念のため。

以上がちゃっちゃと描くポンチ絵イラストのコツ。本格ドロー系ソフトを使いこなす方から見れば、笑っちゃうレベルのノウハウですが、ちょっとした図を描くことにも尻込みしてる方への「背中押し」になれば幸いです。私もホントは他に色々なドロー系ソフトを持っているのですが、個人的にはこれが一番手軽に素早くポンチ絵を描く手法かなと思っています。

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