スリング・アシスト |
クルマはスタックしていなくとも、深い轍から抜け出すのはやっかいだ。いくらハンドルを切ってもクルマは轍の中を行ったり来たりするだけで、一向に轍からは出られない。そんな時ここで紹介するスリング・アシストを知っていると実に楽々と轍から脱出できるという次第。このテクニックはOTC実技編のカリキュラムのひとつ。
このテクニックは私のオリジナルじゃなくて、実は20年くらい前トランシルベニア・トロフィーに行ったときオランダのジャーナリストがやってるのを見て覚えたもの。その彼はウクライナの巨木の森でウインチケーブルを切って取材車を大破させちゃんたんだけど、そのエピソードはいずれまたの機会に。
スリング・アシストは泥の轍を抜けるためのテクニック。必要な道具はツリートランク・プロテクターやトウストラップだけ。数ある轍脱出法の中でも最もシンプルな方法。イザという時はシンセティックロープでも使えるけど、摩擦による損傷を防ぐ工夫が必要になる。
やり方は簡単。フロントの牽引点にストラップを繋ぎ、アシスタントが適当な位置にある立木にストラップを巻き付けるだけ。巻き付けるのは、ほんの2分の1から1巻き程度でOK。スリングのようなウェビング(織物)は巻き付け摩擦の効果がとても大きいので、アシスタントはストラップの端を緩まない程度に持っているだけでよい。
次回のOTCの時にでも作業風景を動画に撮ろうと思ってたけど、YouTubeで偶然スリング・アシストをやってる映像を見つけたので、それを紹介しておきます。
これはドイツ西部にある有名オフロードコース内(ここは凄く広いのです)での走行ビデオです。のっけからC303のポータルアクスルを装着したディフェンダーが走ってたりするので、そっちに気がとられちゃいますが、スリングアシストのシーンは2分10秒くらいから3分45秒くらいまで。お急ぎの方は再生中にキーボードの矢印キーを使ってスキップしてみて下さい。
なぜこんなに簡単に轍を抜けられるのか?それは轍から抜けるのに必要な横力をスリングが生み出すから。だからタイヤはトラクション(縦力)を発生さえしていればよいわけだ。だから少々空転していても一向に構わない。
スリングを使うテクニックは、この轍脱出以外にも色々あるので、また機会を見て紹介しようと思います。
おぉぉーこれは面白い!この技いただきます。
返信削除匿名さん、コメントありがとうございます。
返信削除是非お試しください。スリングをどう配置するかがポイントですので、
ボディを傷つけないようにご用心下さい。
これって「スタックからの脱出」ではやらなかった気が.......。
返信削除知っておきたいテクニックですね。
あはは、だってこれってスタック状態からの脱出じゃないですもんね。クルマは動いてる。ま、かといってドライビングテクニックでもないですけど…。便利な小技ってことですね。
返信削除ですね! 知っておきたい小技の一つと言う事で。
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