2011年2月4日金曜日

クルマは長〜く乗る時代だから(Pre & post luber)


愛車を長く乗り続けるのに大切なのは、もちろんメンテナンスだ。点検を怠らず、不具合は早めに対処するのが肝心。しかしそれでも経時劣化からは逃れられない。とりわけエンジンの経時劣化はやっかいだ。それは内燃機関の宿命である摩耗が避けられないから。
Pre & Post Luber
そこでクルマを長く使う上でとても役立つプリ&ポストルーバーを紹介したい。プリルーバーは文字どおり「エンジン始動に先だって」各部にオイル(油圧)を送る装置だ。ポストルーバーは主にターボエンジンのためのもので、「エンジン停止後にも」暫くの間ターボのベアリング油圧を保持するもの。

プリ&ポストルーバーの仕組み
市販のプリルーバーの仕組みは2種類ある。ひとつは電動油圧ポンプを使うタイプで、もうひとつはアキュムレーターに蓄えた油圧を利用するもの。両者一長一短あるのだが、一般的にお勧めできるのは、構造がシンプルなアキュムレーター式のもの。
アキュームレーター式のプリルーバー仕組みは標準のオイルポンプからギャラリーへとオイルを送るフィードラインにTタップを設け、そこからソレノイドバルブを介してアキュームレータに繋がるという単純な構造から成る。
油圧の高い運転時にアキュームレーターに(オイルを送って)油圧を蓄え、エンジン停止にソレノイドバルブを閉じて油圧を保持する。この油圧を次回始動時にイグニッション・オン(連動してソレノイドバルブが開く)した際にエンジン各部に送るわけだ。
効能
これによってエンジンは各メタルにちゃんと油圧がかかった状態で始動できる。SAEの研究によると、エンジン各部の摩耗の大半は始動時にドライ(潤滑されてない状態の意味)スタートすることにより生じるという。ドライスタートが回避されればエンジン内の摩耗は非常に少なくなる。
副次的効果として、寒い季節のエンジン始動が楽になる。ベアリングにあらかじめ油圧が回っているので、スターターモーターの負担が非常に小さくなるからだ。プリルーバーのタンク(アキュームレーター)を断熱材で包んでおけば、一層効果的だろう。
ポストルーバーも構造は同じ。違いは蓄えた油圧をエンジン停止したときに送り出すということ。こちらはターボのベアリングに油圧を送り続ける役目だ。だからプリルーバーとは油圧を送り出すタイミングが異なるので、併用するには別のアキュームレーター(タンク)とソレノイドが必要。
ターボの劣化も防止する
エンジン停止時のターボのベアリングは冷却水とオイル循環が止まることにより熱負荷が一時的に大きくなる。これによりベアリング部に接するオイルが熱変化(コーキング)で変質する。コークは非常に固い炭化物なのでベアリングを傷つけて潤滑不良を引き起こす。また、この熱はシールにも負担が大きい。ポストルーバーはエンジン停止後にオイルを送り続けることによって、これを防止するわけだ。
プリ&ポストルーバーは最近ではビンテージカーやハイチューンエンジン車に装着されることが多い。また非常発電機のエンジンや農機のように、始動頻度が少なくてドライスタート問題を起こしやすい用途でも広く採用されている。長く乗りたい愛車、あるいはウイークエンドにしか乗らない愛車をグッドコンディションに保ちたい方にお勧めできる製品だ。
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