2010年8月22日日曜日

ケーブルが乱巻きにならないウインチ


ウインチングで一番厄介なのは、巻き取り中にケーブルが乱巻きになってしまうこと。乱巻きになるとケーブルが偏って団子みたいになってしまう。団子になるとケーブルが噛み込んでしまったり、果てはスプール(ドラム)から脱線してウインチを壊してしまったりする。
これを防ぐには「できるだけアンカー位置は遠くに取り、ケーブルは真っ直ぐな方向でしか引かない」ことに尽きるのだけれど、現実はそうもいかない場面も多い。とくに単独行でセルフリカバリーをするような時には、大抵厄介な場所にしかアンカーが取れないものだ。
横引き斜め引きというのは牽引効率も大幅に低下する。つまりクルマを前に引っ張る力は小さくなるし、ウインチへの負荷は増す。ウインチが高負荷ということはワイヤーを巻き取る力は巨大だということだから、ケーブルは下のレイヤーに食い込みやすくなるという悪循環も生まれる。ベテラン諸氏ならケーブルが偏って巻かれる状態に気づいたら、一旦作業を止めてケーブルをフラットに巻き直してからウインチングを再開することだろう。

4輪駆動車にウインチが装着され始めてもう半世紀も経つ。なのにケーブルが乱巻きを解消してくれる使いやすいウインチってものはなかなか登場してこない。でも世の中に乱巻きを防ぐ構造のウインチが存在しないわけじゃない。ここで紹介するオートアドバンス・ラインスプーラーは、どんな横引き状態でもスプールに巻き取られるラインは常に適正なフリートアングル(スプールに対するラインの角度のこと)に自動的に保たれるというもの。これを車載できれば、もう乱巻きとはおさらばできる!



中味はどうなってるかというと、まず巻き取られるラインはウインチ後方下部にある首振り構造のプーリーによって、巻き取り方向に関わらず垂直上向きに方向転換される。ラインは次にそのプーリーと同じ構造のもうひとつの首振りプーリー(後方上部にある)へと導かれる。ラインは最後に3角形をなすブラケットの先端にある最後のプーリーへと導かれた後にスプールに巻き取られる仕組みだ。これによってラインのテンションの大小やライン取り出しの向きに関わらず、常時スプールに整然と巻き取られることになる。

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