続・ケーブルが乱巻きにならないウインチ

この前にポストしたオートアドバンス・ラインスプーラーじゃ車載には相当困難があると思うので、もう少し他のアイデアを紹介しておこう。まず最初に紹介するのはATVに搭載されたもので、プーリーを介してフリートアングルを適正化するというアイデアはオートアドバンス・ラインスプーラーと同じ。ただこちらはもう少しシンプルな形でDIYされたものだ。その次は車体にピボットを持ち、引っ張ればウインチ自体がラインに対して整列するという単純明快なもの。こちらのアイデアは昔から色々と製品化されてきたものだが、その中から良くできたものをふたつピックアップしてみた。

ATVの世界では、泥や水のステージを走行するマニア達の間で、ウインチをハイマウント（フロントキャリアの上など）するのが流行している。これは防水を謳うウインチであっても泥水に漬けない方が良いという当たり前の常識に従ったもの。防水といったって水中でウインチを回すことを保証してるわけじゃないし。このヤマハのATVグリズリーに装着されたウインチは、ハイマウントであることを利用して、本来標準のウインチマウントがある部分に「首振りプーリー」を装着している。これによりラインの向きにかかわらずフリートアングルが良好に保たれるわけだ。

ポータブルウインチ・クイックマウントは昔からあるアイデアの中では一番使いやすそうなもの。ウインチを載せてあるマウントプレートがミソで、マウントプレートにはトレーラー用のカプラーが一体化されている。トレーラーヒッチをバンパーに備えていれば、このカプラーマウントで簡単に脱着できる。ウインチング中には、ラインの方向とウインチのスプールは常時整列するので乱巻きしにくいし、横引きでのウインチの負荷が小さくて済むから合理的だ。重いウインチをバンパーに固定しておくのに抵抗を感じる人にとっては非常に魅力ある選択。

究極のコンパクトセットは2000ポンド級のスーパーウインチをモディファイしたワイス・ミッドスパンウインチだ。これもラインとウインチが自動整列するというメリットを狙ったアイデア。ウインチの横引きをすると角度による力のロスが非常に大きいのだが、常時ラインを真っ直ぐに引くことができるミッドスパンウインチなら、わずか2000ポンドでもフルパワーを活用できる。またストラップが繋げるなら、取り付けポイントを選ばないので、牽引する方向についても色々なアイデアが生かせる。バックアップ用と考えれば、４WDのオフローディングにも充分活用できると思う。